主な職種で比較してみた
「介護職は給料が安い」と聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
実際、介護職の給料は一般的な会社員と比べて高いとは言えないケースもあります。
しかし、介護業界にはさまざまな職場があり、どこで働くかによって給料や働き方は大きく変わります。
特別養護老人ホーム、有料老人ホーム、グループホーム、デイサービス、訪問介護、障害福祉など、それぞれ仕事内容や勤務時間が違うため、当然ながら給与条件にも違いがあります。
また、基本給だけではなく、夜勤手当、資格手当、処遇改善手当、役職手当、賞与などによって、最終的な年収は大きく変わります。
この記事では、介護業界で働くことを考えている人に向けて、代表的な6つの職場を比較しながら、
「どこが稼ぎやすいのか」「どんな人に向いているのか」**を解説します。
特別養護老人ホーム
特別養護老人ホーム、いわゆる「特養」は、常時介護が必要な高齢者を対象とした施設です。
要介護度の高い利用者も多く、食事介助、入浴介助、排泄介助、移乗介助など、身体介護が中心となります。
特養の特徴
特養は、介護職の中でも比較的収入を上げやすい職場の一つです。
その理由の一つが夜勤手当です。
特養では夜勤勤務があるケースが多く、夜勤に入ることで月収を増やすことができます。
さらに、資格手当や処遇改善関連の手当、賞与などが充実している法人を選べば、年収を高くすることも可能です。
一方で、身体介護が多いため、身体的な負担は大きくなりやすいでしょう。
特養がおすすめな人
- しっかり稼ぎたい
- 夜勤ができる
- 身体介護の経験を積みたい
- 介護福祉士を目指している
- 将来的にリーダーや管理職を目指したい
このような人には、特養は選択肢の一つになります。
有料老人ホーム
有料老人ホームは、民間企業や社会福祉法人など、さまざまな法人が運営しています。
そのため、施設によって給与や待遇にかなり差があるのが特徴です。
高級志向の施設や、比較的給与水準の高い法人では、介護職でも高い給与を設定している場合があります。
一方で、施設によっては夜勤回数や賞与などによって年収に差が出ます。
有料老人ホームの特徴
有料老人ホームで給料を見る場合は、月給だけで判断しないことが重要です。
例えば、
- 月給
- 夜勤手当
- 資格手当
- 処遇改善手当
- 賞与
- 昇給
- 役職手当
などを合わせて確認しましょう。
「月給が高い」と思って応募したものの、夜勤手当を含んだ金額だったというケースもあります。
求人を見るときは、基本給がいくらなのか、手当を含めていくらなのかを確認することが大切です。
有料老人ホームがおすすめな人
- 給料を重視したい
- 民間企業の施設でも働いてみたい
- 接遇やサービスにも興味がある
- 夜勤ができる
- 条件の良い法人を探したい
グループホーム
グループホームは、主に認知症のある高齢者が少人数で共同生活を送る施設です。
一般的な大規模施設と比べて少人数で生活するため、利用者一人ひとりと関わる時間が長くなりやすいのが特徴です。
仕事内容としては、食事、入浴、排泄などの介助だけでなく、調理、掃除、洗濯など、日常生活のサポートも行います。
グループホームの特徴
グループホームも夜勤がある施設が多いため、夜勤に入ることで収入を増やせます。
ただし、特養などと比較すると、施設によって給与条件の差が大きい傾向があります。
また、少人数の施設では夜勤を一人で担当するケースもあるため、夜勤の人員配置については応募前に確認しておきたいポイントです。
グループホームがおすすめな人
- 認知症ケアに興味がある
- 利用者とじっくり関わりたい
- 少人数の環境で働きたい
- 生活支援も経験したい
デイサービス
デイサービスは、利用者が日中に施設へ通い、食事や入浴、機能訓練、レクリエーションなどのサービスを受ける場所です。
大きな特徴は、夜勤が基本的にないことです。
夜勤が苦手な人や、生活リズムを安定させたい人には人気の働き方です。
デイサービスの特徴
夜勤がない分、夜勤手当によって収入を増やすことはできません。
そのため、夜勤のある施設と比較すると、年収では低くなるケースがあります。
ただし、日勤のみで働けることや、土日休みなどの勤務条件を設定している事業所もあるため、収入だけでは判断できません。
「多少年収が下がっても、働きやすさを優先したい」という人には、非常に魅力的な選択肢です。
デイサービスがおすすめな人
- 夜勤をしたくない
- 日勤のみで働きたい
- 生活リズムを安定させたい
- 利用者とのコミュニケーションが好き
- レクリエーションなどが好き
訪問介護
介護職の転職先として、近年注目されているのが訪問介護です。
訪問介護は、利用者の自宅を訪問して介護サービスを提供する仕事です。
高齢者だけではなく身体障害、知的障害、精神障害など、さまざまな障害のある方を支援します
施設介護とは違い、基本的には利用者と1対1で関わります。
身体介護だけではなく、掃除、洗濯、買い物などの生活援助を行うこともあります。
訪問介護の特徴
訪問介護は、働き方によって収入が大きく変わります。
正社員として働く場合もあれば、スキマ時間にパートや登録ヘルパーとして働く人もいます。
正社員であれば、基本給に加えて資格手当や処遇改善関連の手当などが支給されるケースもあります。
また、訪問介護は利用者と1対1で関わるため、施設とは違ったやりがいがあります。
訪問介護がおすすめな人
- 1対1の支援が好き
- 利用者とじっくり関わりたい
- 生活援助・身体介護の両方を経験したい
- 自分のペースで仕事をしたい
- 訪問介護に興味がある
就労継続支援A型・B型
就労継続支援A型・B型は、障害や難病のある方に対して、就労や社会参加の機会を提供する障害福祉サービスです。
A型は事業所と雇用契約を結び、働きながら仕事に必要な知識や能力の向上を目指します。
一方、B型は雇用契約を結ばず、利用者の体調や障害の状態に合わせて無理のない範囲で作業や活動を行います。
就労支援A型・B型の特徴
就労継続支援A型・B型の職員の給料は、地域や資格、経験、事業所、役職などによって異なります。
夜勤がない職場も多いため、夜勤手当による収入アップは期待しにくい一方、
サービス管理責任者や管理者などの役職に就くことで、給与アップを目指せます。
転職時は月給だけでなく、賞与や資格手当、昇給制度なども確認しましょう。
障害福祉がおすすめな人
- 障害福祉に興味がある
- 成人の生活支援に携わりたい
- 一人ひとりに合わせた支援をしたい
- 高齢者介護とは違う分野に挑戦したい
- 専門性を身につけたい
6つの職場を給料・働き方で比較
ここまで紹介した6つの職場を簡単に比較すると、以下のようになります。
| 職場 | 給料の傾向 | 夜勤 | 身体的負担 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 特養 | 比較的高め | あり | 高め | 身体介護が多い |
| 有料老人ホーム | 法人による差が大きい | あり | 中~高 | 条件の良い求人もある |
| グループホーム | 中程度 | あり | 中程度 | 認知症ケア・生活支援 |
| デイサービス | 比較的低め | 基本なし | 中程度 | 日勤中心 |
| 訪問介護 | 働き方による | 基本なし | ケースによる | 1対1の支援 |
| 就労支援A型B型 | 事業所による | あり・なし | ケースによる | 障害特性に合わせた支援 |
※給与や勤務条件は法人・地域・資格・経験などによって異なります。
介護職で給料を上げるなら「職場選び」が重要
ここまで見てきたように、同じ介護職でも働く場所によって給与や勤務条件は大きく異なります。
そのため、給料を上げたいのであれば、単純に「介護士だから給料が低い」と考えるのではなく、どの法人・どの施設で働くかを考えることが重要です。
例えば、年収を重視するのであれば、
- 夜勤手当が高い
- 賞与が多い
- 資格手当がある
- 昇給制度がある
- 処遇改善関連の手当が充実している
- 役職手当がある
といった条件を確認しましょう。
特に求人票を見るときは、月給だけではなく「想定年収」や「賞与実績」まで確認することをおすすめします。
介護職でも年収500万円以上は狙える?
「介護職は年収500万円なんて無理」と思っている人もいるかもしれません。
しかし、職場や役職、資格、夜勤回数などの条件によっては、介護職でも年収500万円以上を目指せる求人があります。
例えば、
月給35万円の場合、
35万円 × 12か月 = 420万円
ここに年間賞与90万円が加われば、
420万円+90万円=510万円
となります。
もちろん、これは一例であり、すべての介護職が年収500万円を超えられるわけではありません。
だからこそ、転職する際には「介護職だから給料が低い」と決めつけず、今より条件の良い求人がないか比較することが大切です。
介護職の求人を探すときに確認したいポイント
最後に、給料を重視して介護職の求人を探す場合に確認しておきたいポイントをまとめます。
基本給はいくらか
月給だけではなく、基本給を確認しましょう。
基本給は賞与や昇給などにも関係する場合があります。
賞与は何ヶ月分か
「賞与あり」だけではなく、過去の支給実績も確認しましょう。
夜勤手当はいくらか
夜勤1回あたりの手当と、月に何回程度夜勤に入るのかを確認します。
資格手当はいくらか
初任者研修、実務者研修、介護福祉士など、資格によって手当が変わる場合があります。
昇給制度があるか
現在の給料だけではなく、数年後にどれくらい給料が上がる可能性があるのかも重要です。
年間休日は何日か
給料が高くても、休みが少なければ長く働くことが難しくなる場合があります。
まとめ|介護職は「どこで働くか」で給料が変わる
介護職には、特養、有料老人ホーム、グループホーム、デイサービス、訪問介護、障害福祉など、さまざまな働き方があります。
それぞれ仕事内容だけでなく、給料、夜勤の有無、身体的負担、休日などにも違いがあります。
「介護職=給料が安い」と決めつけるのではなく、自分が希望する収入や働き方に合った職場を探すことが大切です。
特に年収を上げたい場合は、基本給だけではなく、賞与、夜勤手当、資格手当、昇給制度などを含めて求人を比較しましょう。
今の職場で「もっと給料を上げたい」「同じ介護職でも条件の良い職場で働きたい」と感じているなら、転職サイトなどを利用して複数の求人を比較してみるのも一つの方法です。
介護職は、どこで働くかによって収入も働きやすさも変わります。
自分に合った職場を見つけることが、長く働きながら収入を上げていくための重要なポイントです。
